筆者は静岡出身ということもあり、緑茶には結構こだわっています。味だけでなく、その健康やパフォーマンスに与える影響にも。まずは緑茶が筋肉の炎症を抑制し、回復を促進するという研究を紹介しましょう。Catechins suppress muscle inflammation and hasten performance recovery after exercise.http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23470311マウスにダウンヒルランニングを行わせたところ、緑茶カテキン摂取群では酸化ストレスが顕著に減っており、CKやLDHが低く、筋肉の炎症が少なかったという結果になっています。これはトレーニング前に摂取していますが、抗酸化物質の中には運動前に摂取するとかええってトレーニング効果を失ってしまうとされるものもあります。しかし後述の研究から考えると、緑茶にはその心配はいらないようです。さて体内において余剰のテストステロンを排出するメカニズムの一つとして、「グルクロン酸抱合」という代謝があります。鎮痛薬でもあるジクロフェナクやイブプロフェンにはグルクロン酸抱合に関係する酵素(UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ)を阻害する作用があり、テストステロンのレベルを上げることがあります。そして緑茶や白茶にも、同じような作用があるようです。Dietary green and white teas suppress UDP-glucuronosyltransferase UGT2B17 mediated testosterone glucuronidation.http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22429924さらに肥満女性を対象にした研究ですが、緑茶摂取により体脂肪が減少し、ウェストが減り、除脂肪体重が増加し、筋力も向上したという報告があります。The effects of green tea consumption and resistance training on body composition and resting metabolic rate in overweight or obese women.http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23140132なおペットボトルのお茶に使われているのは、原料のアヤシイものが多い・・とも言われます。その真偽については触れませんが、実は一番安い「番茶」に多くのカテキンが含まれることは知っておいたほうがいいでしょう。またカテキンは80度以上のお湯で溶けだしますので、玉露のようにぬるい湯だと、あまり量は摂取できないようです。80度以上のお湯で1分ちょっと待つだけで、十分にカテキンは溶けだします。