・・・・・・・・・・・・・・・・さるべき故ゆゑありとも、法師は人にうとくてありなん。・・・・・・・・・・・・・・・・筆者は団体競技が苦手で、祭りで大勢が集まってウェーイとなったりするのも、一歩引いてしまうようなところがあります。ひと昔まえのボディビルジムではメンバーが集まって休日に海に行ったりしたものですが、最近ではそんなこともないのではないでしょうか。社会が成熟していないときは集団行動によって困難に立ち向かう必要があったのですが、現在のように社会が成熟し、個人でも生きていけるようになってくると、孤独化が進むのも必然といったところでしょう。とは言え団体競技は人気ですし、祭りも盛り上がっています。つながりを求めるのは生存本能に根ざしてもいますが、女性はコミュニケーション能力が高いと言われるように、テストステロンが高いのは団体行動の妨げにもなります。ある研究ではテストステロンを投与された女性は協調行動をとりにくくなっており、自己中心的な態度をとるようになってきたことが示されています。(※1)またチンパンジーはオスが主導権を握り、テストステロン値が高く、ケンカが多いのですが、ボノボはメスが優位にあり、社会的な摩擦も少ないそうです。社会全体で言えば、テストステロンは低いほうが争いは少なくなるはずですが、テストステロンのもたらす革新力や常識を破る力も、社会の発展のためには必要です。また男性に比べて女性はダイエットを失敗しやすいのですが、それもテストステロンが関係しています。特に「私は意志が弱いからダイエットできない」と言い訳をする女性が多いのですが、逆にテストステロンが高ければ自分のことを意志が強いと評価する傾向にあるため、ダイエットを成功しやすくなります。クレアチンとHMBにテストステロンを高める作用がある(※2)ことは前の号でもお伝えしましたが、他にも亜鉛やビタミンE、フェヌグリーク、イワベンケイ、オレウロペイン、ロイテリ菌などに加齢によって衰えるテストステロンを回復させる効果が期待できます。どれが身体に合っているかは個人差が大きいため、いろいろ試してみるのも良いでしょう。※1:Testosterone disrupts human collaboration by increasing egocentric choicesProc Biol Sci. 2012 Jun 7;279(1736):2275-80.※2:Long-Term Effect of Combination of Creatine Monohydrate Plus β-Hydroxy β-Methylbutyrate (HMB) on Exercise-Induced Muscle Damage and Anabolic/Catabolic Hormones in Elite Male Endurance AthletesBiomolecules. 2020 Jan 15;10(1):140. doi: 10.3390/biom10010140.