美しい肌や髪、爪のために必要なのは、何といっても「タンパク質」です。カラダの材料となるタンパク質が豊富に存在してこそ、肌や髪など命に直接関係のない部分にも栄養が行きわたり、美しい身体を保つことができるのです。◆細胞の接着剤とは?しかしタンパク質といっても、様々なものがあります。ホルモンや酵素、もちろん筋肉もタンパク質からできていますが、分けても美容にとって重要な役割を果たしているのが「コラーゲン」です。私たちの身体は60兆個もの細胞から作られています。そして細胞の外には細胞どうしをくっつける接着剤のような物質が存在し、それを「細胞外マトリックス(ECM)」と呼びます。コラーゲンはこのECMの主成分なのです。しかし30代を境に身体の中のコラーゲンはだんだんと減少していき、肌や髪、爪などコラーゲンが主な材料となっているところに老化のしるしが顕れてきます。肌のたるみやシワ、髪のツヤの不足や髪が細くなる、爪が割れやすくなる。こういったものはみんな、コラーゲンの不足を示すサインなのです。◆コラーゲン合成のためにコラーゲンは主にグリシンやプロリン、ヒドロキシプロリン、アルギニンなどのアミノ酸から構成されるタンパク質です。ヒドロキシプロリンとはプロリンを水酸化したもの。体内でコラーゲンが合成されるとき、最初の原料はプロリンです。そしてコラーゲンがおおかた出来上がったところで、その中のプロリンに酵素が働き、ヒドロキシ化(水酸化)されるのです。そしてこのヒドロキシ化(水酸化)を行うために、ビタミンCが重要な役割を果たします。ですからコラーゲンを体内で合成するときには、ビタミンCが欠かせません。グリシンやプロリンは普通にタンパク質を摂取していれば、まず不足することはありません。しかしアルギニンはサプリメントでも良く使われているように、摂取することで様々な効果をもたらすことが期待されます。特にコラーゲンを体内で生成する際、コラーゲンの構造は「Y」に似た形をしているのですが、Yのちょうど分岐している位置を形成するためにアルギニンが必要とされます。よってビタミンCと同様、アルギニンはコラーゲン生成のために重要な栄養素となります。なおアルギニンの成長ホルモン分泌作用も影響してくるでしょう。◆サプリメントとしてのコラーゲンさて、十分なタンパク質に加えてビタミンCとアルギニンを摂取することで、体内におけるコラーゲン合成は十分に高まってきます。しかし30代以降はそれに加えて「外部からの摂取」も行うようにしたいところ。コラーゲンを摂取してもアミノ酸にまで分解されてしまうため、カラダのコラーゲンにはならないという意見があります。しかし最近の研究によれば、コラーゲンを摂取することで体内でそれがペプチドに分解され、そのペプチド(特にプロリンとヒドロキシプロリンのジペプチド)が様々なシグナルを送ることにより、体内におけるコラーゲン合成がさらに高まるという報告がされています。実際にコラーゲンを摂取することにより、皮膚の弾性が改善し、シワが減ったという報告もあります。コラーゲンそのものは食事からなかなか摂取することができません。サプリメントを上手に利用して、美しい肌や髪、爪をいつまでもキープしていきましょう。