心のまゝにしげれる秋の野らは、おきあまる露に埋もれて、蟲の音かごとがましく、遣水の音のどやかなり。都の空よりは、雲のゆききも早き心地して、月の晴れ曇ること定めがたし。・・・・・・・・・・・・・・・・・今でこそ日本のジムの設備は充実していて、アメリカのジムと比べても、そうは遜色がなくなっていますが、筆者がトレーニングを始めたころはというとベンチプレスはナローラック、ラットマシンは椅子もストッパーもなくて地面に座ってやるタイプ、45度レッグプレスやケーブルクロスは見たこともなく、ダンベルもせいぜい30kgまで、というのが一般的な設備内容で、都内のジムでさえもそうでした。筆者が大学に入学し、いざボディビル部に入ろうとしてジムに入ったらダンベルは7kgまでしかなく、ベンチプレス台の背もたれは剥き出しの木でできていて釘が飛び出しており、これはダメだと悟ってそのまま帰りにフロムAを買ってスポーツクラブのバイトを探したのは未だに記憶に残っています。今のジムは広くて設備も充実しているのですが、昔のジムのほうが良かった面もあって、その筆頭に来るのが会員どうしのつながりでしょう。ベンチ台やスクワットラックが一台しかない環境だと、自然とみんなで交代で使うようになり、プレートの付け替えを手伝ったり、補助しあったりするようになって、混んでいながらもスムーズにトレーニングできるようになります。一緒にやりたいけど、ちょっと話しかけにくいなー、なんて新参者が立ち尽くしていると、ジムのコーチが間をとりもってくれたりします。会員どうしで会話が盛り上がり、トレーニングの情報交換も活発になります。もちろん気の合わない人もいるでしょうし、トラブルもあるでしょうけど、普段からコミュニケーションが取れていれば、それほど大事になることはありません。今のようにベンチ台やパワーラックが何台もある環境は一見恵まれていますが、「見知らぬ人とは一緒にやりたくない」ということで終わるのを待っていたところ、結局いつまで経っても空かずに諦める・・となることも多いものです。会員どうしでトラブルがあると、いきなり両者ともジムを出入り禁止になったりして、ジムも会員も損をするという事態に陥ったりします。トレーニング中に周りとコミュニケーションなんか取りたくないし、トレーニングだけに集中したいという考えももちろんアリで、ホームジムやプライベートジムが流行っているのは、そうした潮流があるからでしょう。しかしもともと酷いコミュ障で、今でもその名残が残っている筆者の正直な感想ですが、ハードにトレーニングしている人が周りに何名かいるほうが、なんだかやる気が出るような気がするのです。プレートやカラーがガチャガチャ触れ合う音を背景に、筋発達という同じ目標に向かって皆が必死になっているその熱気は、独りだったら5レップスで諦めてしまうところを6レップスできるまでに押し上げてくれます。コミュ障解決の手段としてビタミンCやチロシンを紹介したことがありますが、今回は「ZMA」を推しておきましょう。亜鉛はインスリンや成長ホルモン、テストステロンの材料になるほか、鬱病の改善にも役立ちます。またマグネシウムもストレスを和らげ、リラックスに役立つほか、鬱や不眠を改善することが知られています。ただし一度に大量に飲むと間違いなく下痢するため、小分けにして摂取することをお勧めします。