女性の「膀胱炎や尿路感染症に効果があるとされているクランベリー。しかし最近の研究では、さらに多くの効果があることがわかってきました。効果のある成分はプロアントシアニジン(PACs)ですが、多くの果物に含まれるPACsがB型なのに対し、クランベリーのPACsはA型が多く含まれるのです。そしてこれまでは尿路感染症や心臓血管系の健康に限られていた研究ですが、口腔内や消化管上皮組織に与える有益な効果も調べられるようになってきました。Cranberries and Their Bioactive Constituents in Human Healthhttp://advances.nutrition.org/content/4/6/618.abstractこの論文によればクランベリーの使用により、抗生物質を使う量を減らすことができ、抗生物質への耐性を避けることができるようです。またその抗酸化作用はコレステロール値を改善させたり、動脈硬化を予防したりすることができるため、心臓疾患系の健康を促進してくれるとのこと。なお尿路感染症への効果は、PACsが膀胱などに菌が粘膜に張り付くのを防ぐことにより、得られるようです。さらにクランベリーに含まれるキナ酸が体内で馬尿酸に変わり、尿が酸性になることで、菌の繁殖を阻止するようです。そのため、尿路感染症の治療や予防のためにはエキスやパウダーではなく、ジュースとして飲むようにしたほうがいいでしょう。また同様の効果が胃壁に付着するピロリ菌や、口腔内のバクテリアに対しても適用されるようです。そのため、胃がんや歯槽膿漏、虫歯の予防にも効果があるという報告があります。メイヨークリニックの医師によれば、これらの健康への効果はクランベリージュースを一日にコップ2杯飲めば得られるとのことです。http://www.nutraingredients-usa.com/Research/Cranberry-may-boost-heart-health-Mayo-Clinic-RCTなお、馬で行われた研究では、クランベリー抽出パウダーを食べさせたところ、エクササイズ後の炎症が防げた(TNF-αの減少)という結果が出ています。トレーニング後の回復を早めるためにも、クランベリーは効果が期待できそうです。日本ではまだまだ手軽かつ安価に入手できるとは言えないクランベリージュースですが、機会があれば積極的に飲むようにしてみたいものです。