世の人の心惑はす事、色欲には如かず。人の心は愚かなるものかな。どんなに修行を積んだ高僧でも、セクシーな女性の前では修行の成果など吹っ飛んでしまう・・という例えは数多くあります。トレーニーの間ではテストステロンを増やすための方法について良く話題になりますが、テストステロンレベルが低くなってくる中年期以降になっても、やはり女性にはモテたいと思うもの。それはなぜでしょうか。少し前に「オキシトシン」というホルモンが話題になりました。「愛情ホルモン」などとも呼ばれ、このホルモンが多く分泌されると浮気しにくくなるなんて効果が取り沙汰されたものです。確かにオキシトシンは仲間意識を高めたり、周囲への信頼性を高めたりする作用があり、コミュニケーションを円滑にする効果があります。海外ではオキシトシンの点鼻薬なども販売されているくらいです。そしてオキシトシンが高まると、性欲も上昇することがわかっています。中年以降の男性はテストステロンが低下する一方で、オキシトシンのレベルは変わらないため、物静かで落ち着いた感じになり(一般的に)、ガッついた感じはしなくとも、実は虎視眈々と女性を狙い続けているのです。オキシトシンはハグなどのスキンシップによって分泌が高まります。ですから既にパートナーがいる場合は、意識的にスキンシップを増やすことにより、関係を深めていくことができます。まだパートナーがいない場合は、相手に嫌がられない範囲でのボディタッチを繰り返すことが、一つの解決法となるかもしれません。ボディタッチは難易度が高いという場合、花粉症に効くとか何とかウソをついてオキシトシンの鼻腔スプレーをするという強引な方法の他に、セロトニンを増やすとオキシトシンの分泌も増えるというメカニズムを利用するという方法があります。Serotonin receptors involved in vasopressin and oxytocin secretion.http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12588512セロトニンを増やすためには、トリプトファンの摂取やリズミカルな・・特に呼吸のリズミカルな運動が有効です。太極拳やジョギング、ヨガなどを意中の彼女と一緒に行うのも良いかもしれません。ちなみに太極拳は線維筋痛症にも効果があるようです。なお乳酸がセロトニンを抑制してしまうという報告もありますので、あまりハードな運動はよくありません。ちなみにオキシトシンの構造は、2つのシステインが含まれ、ジスルフィド結合(S-S結合)しているという特徴があります。システインを多く含むホエイプロテインを飲み、ジスルフィド結合に必要なビタミンB 群をしっかり摂取している女性でしたら、オキシトシンの分泌には期待できます。