・・・・・・・・・・・・・・・・今様の事どもの珍しきを、言ひ広め、もてなすこそ、またうけられね。世にこと古りたるまで知らぬ人は、心にくし。・・・・・・・・・・・・・・・・昔と違って今はSNSなどで簡単に情報が流通し、ちょっと目新しいことを知ったとしても、すぐにそれは「誰でも知っている当たり前なこと」になってしまいます。また学術書にしか書かれていないような、それまでは専門家しか知らなかったようなことも、少し調べるだけで同等の知識を得ることができるようになりました。栄養学については医者を超える素人がいくらでも出てきていますし、スポーツの世界でも技術論ではプロ選手を超えるようなアマチュアが増えてきています。プリーチャーカールをやっているマッチョに向かって、貧弱な体躯の男子が「それ、あまり効果ありませんよ」とアドバイスしているイラストを見たことがあるかもしれませんが、これはそうした風潮を揶揄したものでもあるのでしょう。しかし素人や貧弱男子の言うことが、だから間違っているとは言えません。経験や実績が、必ずしも真理を伝えるとは限らないのです。少し間違った食事療法、どこかピントの外れたトレーニングであっても、やや健康になったり、微妙に筋肉が付いたりするということはあるもので、100点でなくても30点が出れば、少なくとも結果がゼロでは終わりません。30点でも、ゼロを大幅に上回る結果を出す方法があります。長く続けることです。筆者はインクラインカール派ですが、インクラインカールを半年やるよりも、プリーチャーカールを3年やるほうが上腕二頭筋は大きくなると思われます。たとえ微妙な効果であっても、右往左往してなにもしないよりは、とにかく継続することが最終的に大きな効果をもたらしてくれます。最大限ではありませんが。継続するときの障害となるのが、「飽き」です。飽きがこないようにするには、刺激を変えたり、ペースを落としたり、自己の状態を意識的に変えたりする必要があります。10年付き合った彼女と新鮮な気持ちで接するためには、コスプレをさせたり、会う頻度を減らしたり、酔っぱらったりすれば良いわけです。また飽きが生じているときは、脳がドーパミンを出さなくなっているということもあります。ドーパミンはチロシンからつくられますが、ここでは「ムクナ」を紹介しておきましょう。ムクナはマメ科植物ですが、これにはL-Dopaが含まれ、これがドーパミンになるのです。ムクナは豆のまま食べることもありますし、焙煎して粉末にしたものや、それをカプセルに詰めたものもあります。ドーパミンはやる気を出したり記憶力を高めたりするほか、プロラクチンを抑えたりなど、カラダづくりに役立つ面もあります。長期に渡るムクナの大量摂取は問題ですが、やる気のないときにときどき使うのは有用だと思われます。