バルクアップのための心構えを毎月5点ずつ、紹介していきます。その内訳は次の通り。トレーニング食事サプリメント休養その他・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1. 連続性を考えてプログラミングせよ!一日に一部位しかトレーニングしない人は少ないだろう。多くのトレーニーは数部位をまとめて同じ日にトレーニングするはずだ。このときにエクササイズの分配を上手く行うと、スムーズに移行することができる。例えば背中のトレーニングで最後にプルオーバーを行い、そのまま上腕三頭筋のトレーニングに移行するのだ。プルオーバーでは広背筋だけでなく三頭の長頭も刺激することができる。ウォームアップのセット数を減らすこともできて時短にもなる。脚のトレーニングの最後にデッドリフトを入れ、そのまま背中のトレーニングに移るのも良いだろう。筆者は一般的な「プッシュ・プル」には否定的だが、当該筋肉に効かせるのが上手なベテランが大胸筋の最後に「ヘビーな」ナローベンチを行ったり、背中の最後に「ヘビーな」アンダーグリップチンニングを入れたりするのは悪くないと考える。2. 冬場は意識的に水を飲め!冬は自然と水を飲む量が減ってしまう。しかしトレーニング中に飲む水の量を減らしてはならない。意識になくても発汗による脱水は冬でもかなり強いものだし、また通常時に飲む水の量が少なくなっているため、トレーニング開始時には既に軽く脱水している可能性もある。「脱水+冷え」により肉離れを起こす可能性も高くなる。また脱水状態だと筋力も低下するし、体脂肪燃焼効果も落ちてしまうのだ。水を飲むのが苦手な人は、まずセット毎に必ず少しずつ口を湿す程度で良いので、水を含むようにしてみよう。1セットにつき30~40mlで良い。アップを含めて15セットやった場合、トータルで500mlは飲めることになる。それで慣れてきたら、一度に飲む量を徐々に増やしていくのである。3. ケルセチンの効果とはフラボノイドの一種であるケルセチンには多彩な作用がある。その筆頭に来るのが抗酸化作用であり、ビタミンCと相互作用することによってお互いのリサイクルを行うことができるため、ビタミンCを多く摂取している人には特におすすめできる。またこれからの季節において、花粉症の症状を和らげてくれることも無視できない。ケルセチンはヒスタミンの放出を抑制してくれるのだ。他にインスリン感受性を高めたり、CYP1Aを阻害してメラトニンの作用を高めたり(※)といった作用も期待できる。花粉症への効果を期待する場合は、シーズンに入る数週間前から一日に1500mgを目安に摂取しておくと良いだろう。※Effects of Caffeic Acid and Quercetin on In Vitro Permeability, Metabolism and In Vivo Pharmacokinetics of Melatonin in Rats: Potential for Herb-Drug Interaction.Eur J Drug Metab Pharmacokinet. 2017 Oct;42(5):781-791. doi: 10.1007/s13318-016-0393-7.4. アクティブレストとして水泳を!プールのあるジムでトレーニングしている人は、ウェイト後に軽く泳いでみると良い。そうすることでウェイト後の筋肉痛が明らかに軽減されたというフィードバックを筆者は大量にもらっている。軽く動かすというクールダウン作用だけでなく、水圧による「圧迫→弛緩」効果、アイシング効果などが関係していると思われるが、これは普段から行うだけでなく、疲労が溜まっているときのアクティブレストとしても非常に有効だ。関節を休めることもできる。オーバーワークが疑われるアスリートは一時的に専門競技から離れ、数週間だけ軽く水泳を行うという選択も悪くないだろう。5. 点と点を繋げろ!スティーブ・ジョブズのスピーチの中に、「点と点を繋げろ」というものがある。彼は大学でカリグラフ(西洋書道)をたまたま学び、それがマックの多彩なフォントを産み出すきっかけとなった。カリグラフを学んでいたときは、将来それがこのように役立つとはまったく予測できていなかったのだ。そして彼は言う、「将来を見据えて、点と点をつなぐことはできない。できるのは、後からつなぎあわせることだけだ。だから、我々は今やっていることが将来になって実を結ぶだろうと信じるしかないのだ」。筆者も自分のためにやってきたボディビルが今になって仕事に活かされてきて、望外の評価を受けるようになった。信じてなにかに打ち込めば、必ずそれがいつか役に立つ。逆に「将来、役に立ててやろう」と考えて、好きでもないことを打算でやっても、突き抜けた結果を出すことはできまい。40歳、50歳になってからそうしろとは言わないが、若者には好きなことを見つけ、それに打ち込んで欲しいと心から思う。