朝夕へだてなく馴れたる人の、ともある時に、我に心をおき、ひきつくろへる樣に見ゆるこそ、今更かくやはなどいふ人もありぬべけれど、猶げにげにしく、よき人かなとぞ覺ゆる。・・・・・・・・・・・・・・・・・筆者は数十種類のサプリメントを飲んでいますが、「どれが効いているのか、わからなくなりませんか?」と訊かれるのにも慣れました。もちろんどれがどのように効いているのかは分かっていて、飲まなくなると覿面に調子が悪くなるものもあります。その一つがCoQ10です。筆者は遺伝的に歯周病になりやすいのですが、若いころに歯医者通いをさぼっていたせいで、かなり悪化してしまいました。虫歯を治してベンチプレスが伸びたという記事は何度か書きましたが、ちょっと疲れが溜まると途端に歯茎の調子が悪くなったものです。そんなときに出会ったのが抗酸化物質のメリットを説いた名著「アンチオキシダント・ミラクル」です。1999年に発刊され、すぐにアマゾンで入手して読みふけりました。その後、日本語訳が出ていますが、今でもその輝きは喪っていません。この本で言われていた「抗酸化ネットワーク」を構成する主要物質はビタミン以外にCoQ10とαリポ酸、そしてピクノジェノールでした。そしてCoQ10のところに「歯周病に効果がある」という記述があったのが、筆者の目に留まりまったのです。当時はまだまだ金銭的な余裕はありませんでしたが、これで良くなるのならば、と祈るように購入しました。そして到着後、一日にたった60mgの摂取を一週間続けたところ、まったく歯茎の調子が気にならなくなったのです。まるで完治したかのような勢いでした。そのまま継続的に摂取し、良い調子でした。しかし7~8年前にLAに行ったとき、旅行用のサプリメントケースにCoQ10を入れるのをウッカリ忘れました。しばらくは気づかなかったのですが、LA滞在後半になって、いきなり歯茎が腫れてきたのです。慌ててサプリメントショップに行ってCoQ10を買い、大量に摂取したところ、次の日の夜には良くなっていました。今では還元型のCoQ10も出ており、価格も安くなっています。原稿を書くときには「CoQ10はシトクロムcに電子を・・」といった感じでエネルギー生成と抗酸化作用を強調しますが、個人的には「歯周病の予防」がもっとも重要となっています。旅行することも多くなりましたが、サプリメントケースには還元型CoQ10を真っ先に入れるようにしています。なお酸化型を還元型に変えて量をさらに増やした結果、心駆出率が明らかに高くなったというデータがあります。(Langsjoen PH et al., Biofactors 32:119, 2008)心臓の調子が気になる方は今からでも還元型CoQ10を摂取するようにお勧めします。