コラーゲンやヒアルロン酸、脂溶性ビタミンC、システインなど、美肌に効果的な栄養素は非常に多くあって、美容とアンチエイジングに興味を持つ方は錯綜する情報の中で、どれを摂取すればよいのか、どのくらい摂取すればよいのか、頭を悩ませるところではないでしょうか。ついでのことに、さらに別の情報を加えてしまいましょう。さて筋肉量を増やし、減量中の筋肉の減少を抑えてくれるHMB、実は美容への効果も期待できるのです。遺伝子の発現を調節する細胞内のタンパク質に、「NF-κβ」というものがあります。このタンパク質は炎症を引き起こしてしまうのですが、HMBにはNF-κβを阻害する作用があって、炎症を防止してくれるのです。加齢によってコラーゲンが老化していきますが、これはNF-kβの影響を受けることにより架橋結合が増え、それでシワになるのです。つまりHMBはコラーゲンの老化を防ぎ、シワを防いでくれる効果が期待できるということです。(※1)またご存じのとおり、HMBにはタンパク合成率を増加させる作用があります。こうして炎症を防止し、タンパク質の合成を増やすことにより、肌の細胞がより効率的に生まれ変わることができます。また肌が傷んでいる場合なども、新鮮で傷のない肌に早く生まれ変わる(ターンオーバー)ことができるのです。HMBと同時に摂取したいのが、ピクノジェノールです。ピクノジェノールといえば抗酸化作用が有名ですが、実はコラーゲンやヒアルロン酸の合成能力を高めることにより、肌の弾力性を改善し、保湿力を高めてくれる作用があるのです。(※2)ほかにもピクノジェノールにはPMSや生理痛、鬱症状を軽減したり、メラニン色素をつくるチロシナーゼを抑制して美白に貢献してくれたりする効果もあるのです。(※3、※4)コラーゲンやヒアルロン酸の効果については既に触れてきていますが、サプリメントをしっかり摂取するトレーニーはHMBやピクノジェノールをサプリメントに追加することで、筋肉を増やす以外にも、知らぬ間に美容やアンチエイジングの効果が得られていたのかもしれません。※1:Beta-hydroxy-beta-methylbutyrate supplementation reduces tumor growth and tumor cell proliferation ex vivo and prevents cachexia in Walker 256 tumor-bearing rats by modifying nuclear factor-kappaB expression.Nutr Res. 2008 Jul;28(7):487-93. doi: 10.1016/j.nutres.2008.04.006※2:Pycnogenol® effects on skin elasticity and hydration coincide with increased gene expressions of collagen type I and hyaluronic acid synthase in women.Skin Pharmacol Physiol. 2012;25(2):86-92. doi: 10.1159/000335261. Epub 2012 Jan 21.※3:Pycnogenol ameliorates depression-like behavior in repeated corticosterone-induced depression mice model.Biomed Res Int. 2014;2014:942927. doi: 10.1155/2014/942927. Epub 2014 May 13.※4:The anti-melanogenic effect of pycnogenol by its anti-oxidative actions.Food Chem Toxicol. 2008 Jul;46(7):2466-71. doi: 10.1016/j.fct.2008.04.002. Epub 2008 Apr 11.