バルクアップのための心構えを毎月5点ずつ、紹介していきます。その内訳は次の通り。1. トレーニング2. 食事3. サプリメント4. 休養5. その他・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1. モーターユニット動員数を高めよ!一本の神経と、それが支配する筋繊維のことを「モーターユニット」と呼ぶ。高重量を扱えば、当然多くの筋繊維が必要となるため、多くのモーターユニットが動員される。また高重量を扱うときには、脳から筋肉に伝えられる電気信号の頻度(レートコーディングと呼ぶ)が高まる。当該筋肉を意識し、「効かせて」動かしている場合は、レートコーディングが高まる。効かせることをあまり意識せずに高重量を扱ったり、爆発的・スピーディに挙げたり、SSCを利用したりした場合は、モーターユニット動員数が高まる。しかし筋電図の測定によると、一定の重量を超えると「意識して、効かせて」行ったとしても、そうは刺激が変わらないようだ。全く当該筋肉を意識しなくてよいというわけではないが、高重量を一気に挙げるようなトレーニング、モーターユニット動員数を高めるようなトレーニングこそが筋肥大・筋力向上に効果的だと思われる。なお反動を使って良いという意味ではないので勘違いしないように。2. 卵を追加せよ!日本人の食事には、硫黄を含むアミノ酸(含硫アミノ酸)が少ない。具体的にはメチオニンやシステインだ。そのため、プロテインスコアが低くなりやすい。それを一気に解決してくれるのが、卵である。食事のプロテインスコアが低い場合でも、卵を一つ追加して食べるだけで、スコアを高める(多くの場合で100にできる)ことが可能である。なおメチオニンはタンパク質の合成を開始するときの「開始コドン(AUG)」として働く。ホエイプロテインにもシステインは多い。ホエイを飲まないトレーニーは特に卵の重要性が高まるだろう。3. バカにならないクエン酸薬局で安く買えるサプリメントの定番として、「クエン酸」は筆頭に挙げられる。疲労回復効果が主だとされるが、なぜ疲労を回復してくれるのか。TCAサイクルを上手く回してくれるから、なんて回答では不合格である。まずクエン酸は「乳酸脱水素酵素」を阻害する。この酵素はピルビン酸を乳酸にする酵素であり、NADHをNAD+にすることで解糖系によるATPを作り出す。しかし乳酸は増えてアシドーシスに傾く。乳酸が疲労物質であるかどうかは議論の分かれるところであるが、クエン酸がこの酵素を阻害することにより、アシドーシスを改善することは明確である。またクエン酸はアセチルCoAカルボキシラーゼの活性を高め、マロニルCoAの生成を促進する。このとき、ピルビン酸脱水素酵素複合体の活性が上昇する。するとピルビン酸や乳酸の酸化(エネルギー化)が促進されるのだ。さらに解糖系の律速酵素であるホスホジエステラーゼの阻害作用によるグルコースを節約する効果、シクロオキシゲナーゼの阻害によりプロスタグランジンI2やトロンボキサンA2の産生を低下させることによる血流改善などの効果も期待できる。4. GABAを作り出せ!抑制性神経伝達物質の代表であるGABAはグルタミン酸とビタミンB6が材料となっている。GABAは血液脳関門を通らないことで知られているが、抹消では働くため、GABAそのものをサプリメントとして摂取することにより血圧を下げたり、筋肉をリラックスさせたりするのに役立てることは可能だ。脳内のGABAを増やすことで睡眠を改善することができるが、それにはビタミンB6が有効だ。グルタミン酸は食事で十分に摂取できる。マグネシウムにもリラックス作用があるため、ZMAは二重の意味で回復に有効となる。トレーニングの時間が遅く、興奮して寝付けないという場合にはZMAの摂取も検討してほしい。参考:集中力を挙げるGABAの働きhttps://www.facebook.com/berserkersports/posts/3774473223315395. 自分の価値観に自信を持て!ボディビルのコンテストで不当な審査をされたといって、周りに当たり散らす人がいる。気持ちはわからないでもないが、そんな人にはチャンプリンのこの言葉を贈りたい。「わずかの人間で決めた賞なんて、そうたいした名誉ではない。私の欲しいのは大衆の喝采だ。大衆が私の仕事を称賛してくれたならば、それで十分だ」数字で決まる競技ではないのだから、見ようによっていくらでも評価は変わる、自分が勝っていたと思えば、それで良い。観客が自分の身体を評価してくれたのならば、それで良いではないか。