バルクアップのための心構えを5点ずつ、紹介していきます。その内訳は次の通り。1. トレーニング2. 食事3. サプリメント4. 休養5. その他・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1. 101とは「楽」という意味ではないぞこれは良くある勘違いで、筆者は「100の能力があれば、101の刺激を与えるだけでストレスとなり、筋肉が発達する」と主張している。100の能力を発揮する時点で、自分の限界に達するわけだ。しかしどういうわけか、その限界点が筆者と他人とで異なるようで、パーソナル指導を受けたクライアントは「こんなにキツイなんて! 101ではないですっ!!」とプンスカすることが多い。筆者はフォーストレップスを滅多に使わない。あくまでも自力でできるところまで、だ。またセット数も少ない。インターバルも長い。それなのにキツイのは、普段のトレーニングで100までやっていないのだろう。すなわち、フォームが悪かったり、種目の組み合わせが悪かったり、自分の心理的限界の低いところでセットを終了してしまったりしているわけだ。100までやっているつもりで80しかやっていないのであれば、101にしたつもりでも81にしかなっていない。正しいフォーム、種目選択、高い心理的限界。それらが備わってこそ、真の101に到達できるのである。2. 正月は餅を喰えバルクアップのための糖質源として、餅は最適である。何といってもカサが少なく、大量に食べることができる。またアミロペクチンが多くて消化酵素が働きやすく、早く消化することができる。ここで大事なのは、同時に脂肪を摂らないことである。消化吸収の速さを妨げてはいけない。もちろんカサ増しの野菜もご法度である。筆者は雑煮を自作してバルクアップに成功したことがあるが、具は餅と鶏胸肉(皮無し)のみであった。蒲鉾などは白身魚なので良いだろう。デカくなりたかったら、お節料理は家族に任せ、とにかく雑煮を喰うが良い。筆者はそれでいつも正月から家の空気が悪い。3. たまにはマズいプロテインを飲め最近のプロテインはどれもこれも美味しくなって羨ましい限りなのだが、それでも文句を言う人がいる。良薬口に苦しじゃ、と言って無理やり飲ませてやりたくなるが、筆者の立場としてはそうもいかぬ。マズいと思うものを食べ、その後にそれを食べなくなることを味覚嫌悪学習と呼ぶが、これは防衛行動であり、個体維持と種の進化に大きく関わってくる。プロテインも美味しいものばかり飲んでいては、いざというときに身を守ることができない。たまにはマズいものを食べ、マズいプロテインを飲んでみよう。そうすることで生存能力が高まり、美味しいプロテインを飲んだ時の喜びも大きくなるというものだ。4. ウォーキングは悪くない筆者は震災のときに天王洲アイルから渋谷まで4時間ほどかけて歩いたが、まったく苦にならなかった。実は歩くのが好きなのである。あのとき恵比寿でお茶をふるまっていたおじさん、ありがとう。いつも有酸素のデメリットを伝えているので誤解されやすいのだが、それはバルクアップの際に過度の有酸素は避けようと言っているだけで、日常生活におけるウォーキングは否定していない。つか、軽いウォーキングはむしろ推奨したい。軟骨などの関節周辺は血管があまりなく、栄養素が行き渡りにくいため、筋肉のケガ(肉離れ)に比べて治りが遅くなる。しかし歩くことによってポンプ作用が起こり、栄養素が届けられやすくなるのだ。特に腰痛に効果が出ることが多い。なお靴のクッションが悪いと膝などは逆に傷めてしまうことがあるので、シューズには気を使うようにしたい。5. 人の恩は忘れるべし三島由紀夫は「不道徳教育講座」のなかで、「親切はするものではない。最初は感謝されるが、次第に感謝の気持ちはなくなり、いつしか逆に恨まれるようになる」といったことを言っている。SNSでは「親切に教えてあげたのに、どんどん図に乗っていろいろ聞いてきて、答えないと逆切れされた」という話が無数に聞かれる。そこを三島は「人に恩を施すときは、小川に花を流すように施すべきで、施されたほうも、淡々と忘れるべきである」と実にうまい文章で喝破するわけだが、そのような淡きこと水のような交わりは、君子でなければ難しかろう。恩を売れば売るほど、質問に答えれば答えるほど、逆に恨まれる可能性も高い。筆者は知らない人からの質問は、気が向いたときだけに答えるようにしている。それは淡い関係に留める自衛策の一つなのである。