サプリメントつれづれ日記 第一段序段つれづれなるままに、日暮らしキーボードにむかひて、心にうつりゆくよしなし事を、理路整然と書きつくれば、あやしうこそ物狂ほしけれ第一段私たちがこの世に産まれ、さまざまな環境に適合していくなかにおいても、DNAの影響というものは非常に大きいものです。身長や顔の造作などのルックス、IQの高さ、性格や考え方、寿命など、先天的なものにかなりの度合いで左右されてしまいます。しかし最近になって、DNAは後天的に変化することがわかってきました。それを「エピジェネティクス」と呼びます。エピジェネティクスにおいてはDNAの塩基配列そのものが変わるわけではなく、DNAが情報を発する際に、どの遺伝子が使われ、どの遺伝子が使われなくなるかによって、細胞に伝えられる情報が変わってくるのです。まったくDNAが同じ一卵性双生児の間にも、さまざまな違いがありますが、それは環境などによるエピジェネティクスにより起こったものだと言うことができます。さてDNAのエピジェネティクスにおいては、ヒストンのアセチル化やDNAのメチル化などが起こります。DNAにメチル基が結合すると、そのDNAは働くことができなくなります。それがDNAのメチル化です。緑茶の成分であるエピガロカテキンガレート(EGCG)には、DNAのメチル化を抑制する作用があると言われています。例えばガン抑制遺伝子のメチル化を抑えることができれば、EGCGはガンを抑制する効果がある可能性が出てきます。実際にそのような報告もあり、EGCGには抗酸化作用以外の経路からも健康に役立つ可能性が期待されています。Expression of DNA Methyltransferases in Breast Cancer Patients and to Analyze the Effect of Natural Compounds on DNA Methyltransferases and Associated Proteinsこちらの論文ではEGCGの他にレスベラトロールやクルクミン、ゲニステイン、グガルステロンなどの効果が検証されています。逆にDNAを働かせるのが、ヒストンのアセチル化です。普段、DNAの周りにはヒストンというタンパク質が巻き付いており、DNAの働きを抑え込んでいます。そのため、遺伝子が発現するときにはヒストンが離れる必要があります。そしてヒストンにアセチル基が結合してアセチル化されると、DNAからヒストンが離れていき、そのDNAは働くことができるようになるのです。アミノ酸の「カルニチン」はサプリメントとして知られていますが、体内でもリジンやメチオニンから合成されます。そしてカルニチンは体内において、だいたいその1割ほどが「アセチルカルニチン(ALC)」の状態で存在します。ALCそのものもサプリメントとして入手可能ですが、ともあれALCはアセチル基を供給することにより、ヒストンのアセチル化を促し、ガン抑制遺伝子など、さまざまな遺伝子を活性化させます。なおカルニチンそのものにも、ヒストンのアセチル化を促進する作用があるとされています。