この比の冠かうふりは、昔よりははるかに高くなりたるなり。古代の冠桶かうふりをけを持もちたる人は、はたを継つぎて、今用ゐるなり。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「古くさい」という言葉は悪い意味で使われますが、流行はめぐりめぐるもので、筋トレ界におけるBIG3や、栄養界におけるケトジェニックなど、何十年も前に流行ったものが時を経て再評価されることも多いものです。また温故知新というように、古いものをブラッシュアップさせてさらに良くしていくという流れもあります。そのいっぽうで、古くからのものが変わらず使われているというものもあります。サプリメントではプロテインがその代表でしょう。「デザイナープロテイン」に代表されるホエイプロテインが1990年代に出てきてから、その内容に大きな違いはいまだにありません。WPCもWPIもWPHもほとんど同じ時期に出てきて、各メーカーは差別化に苦労したものと思われます。デザイナープロテインにはZMAが含まれ、マッスルテックのニトロテックにはクレアチンが含まれていました。差別化するためになにかをプラスアルファするということも常套手段です。それに逆を張って、EASはシンプリープロテインという「ただのプロテイン」を安価に出したりしました。しかしプロテインにプラスアルファというもの、実は昔から行われていました。大豆プロテイン全盛の時代、パパインやブロメラインなどのタンパク分解酵素やカルシウム、ビタミンB6を主としたビタミン類などが、多くのプロテインに追加配合されていたものです。昔と今とで一番変わったのは、価格でしょう。20年前に比べたら、その半分以下の価格で良質なホエイプロテインを買うことができます。ビタミンなど他のサプリメントも同様です。というわけで、プロテインに含まれているビタミンに期待するよりは、それぞれを別に購入した方が今ならむしろ安くなるという状況です。とは言っても、別々にいろいろ買ったり飲んだりするのが面倒だという人もいるでしょう。そこで筆者はビタミンではなくホエイの弱点であるアルギニン(胃に優しいシトルリンでも)や、胃酸の分泌やクレアチン合成を高める効果が期待できるベタインを追加した「ホエイクエストアルテマ」を開発し、良い評判をいただいています。ただし開発時にもっとも気を使ったのは「味」でした。試作をなんども繰り返し、ようやく満足できるサンプルができあがったときは、本当に安心したものです。トレーニーが毎日飲むサプリメントの筆頭に来るものが、プロテインでしょう。ビタミンやアミノ酸を飲み忘れることはあっても、プロテインを飲み忘れることは、まずありません。毎日飲むものだからこそ、味にこだわる。そしてつくられたのが、「ホエイクエストアルテマ」なのです。