万にいみじくとも、色好まざらん男は、いとさうざうしく、玉のさかづきの底なき心地ぞすべき。筋肉を発達させる場合において、テストステロンの占める役割は非常に大きいと言えます。ホルモンと関係なく筋肥大は可能だとする研究結果も存在しますし、確かにそれも事実ではありますが、男性のほうが女性よりも筋肉が発達しやすいという現実は動かせません。テストステロンはアンドロゲン受容体と結合してタンパク合成を活発化するだけでなく、IGF-1を増加させてmTORシグナル伝達系を活性化したり、グルココルチコイド受容体と結合してコルチゾルをブロックしたり、リポタンパクリパーゼを阻害して脂肪合成を減らしたりなど、様々な作用を持っています。ナチュラルにテストステロンを増やすためには、DAAやDIM、ボロン、トリビュラス、トンカットアリ、亜鉛などのサプリメントを摂取したり、漢方薬(八味地黄丸や補中益気湯、至宝三鞭丸など)を利用したりする他、十分な睡眠をとり、常にポジティブな意識を保ち、性的にアクティブであることが重要となります。重要なのはオーバーワークにならないようにすること。1回のトレーニング時間が75分を超えると、テストステロンのレベルが下がってしまうという研究が存在します。性的にアクティブと書きましたが、面白いことにテストステロンは2回目のセックスのときには、ほとんど正常レベルに戻ってしまうそうです。どういうことかと言うと、初めての女性(まだセックスしていない女性)に対しては、テストステロンが大量に分泌されるのです。分泌されたテストステロンはドーパミンやノルアドレナリンなどを放出させ、なんとしてでも女性を口説き落そうとする意欲を高めます。フェロモンも分泌させます。しかし、いざ口説き落としてしまうと、その後はテストステロンの分泌レベルは正常より高まることはないのです。これは生物学的に言えば頷けることで、より多くの子孫を残そうとするためには、できるだけ多くの女性と交わる必要がありますから、「新しい相手」に対してでないとテストステロンが新たに分泌されないというわけです。しかし実際にとっかえひっかえするというわけにも、なかなかいかないでしょう。では、ただ「新しい女性を好きになるだけ」の場合でも効果はあるのでしょうか。こんな調査報告があります。敢えて内容は訳しませんので、興味のある方は読んでみてください。そして・・Salivary testosterone levels in men at a U.S. sex club.http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21165688