・・・・・・・・・・・・・・「御坊をば寺法師とこそ申しつれど、寺はなければ、今よりは法師とこそ申さめ」と言はれけり。・・・・・・・・・・・・・・肩書や学歴に人は左右されがちなもので、ある分野の専門家だと聞けば、その人の言うことに無条件で従ってしまうものです。しかしこのコロナ渦において、同じような肩書を持っている人でも言うことがバラバラだったり、明らかにスポンサーのバイアスがかかっていたり、状況の変化を見てすぐに手のひらを返していたりなど、専門家だからといって、そうアテにはならないことが浮き彫りになりました。肩書があるからこそ、動きにくい。好きな発言ができないということもあるでしょう。また気に入らない専門家にたいし、その所属機関にクレームをつけるなど、困った動きをする人も増えているようです。そのためか、「私の発言は所属機関と関係ありません」とSNSのトップページに記載している専門家も良くみかけます。他人の責任を追及するというのは、自分が安全なところにいるからこそできるもので、逆に責任追及によって自己の安全を確認し、満足するという心理もあるようです。ということは、普段から自己の安全性を認めている人は、他人の責任を追及しないということになります。立場が危うい人ほど、他人を責め立てるということになります。安心感はセロトニンによってもたらされ、不安はノルアドレナリンによってもたらされます。セロトニンが少なく、ノルアドレナリンが多いと他責思考になるのかもしれません。マウスの研究ですが、ビタミンB6が欠乏するとノルアドレナリン神経系が亢進し、社会性行動障害や認知機能障害を惹起するようです。(※1)B6を脳内に補充することで、行動異常が改善されたとのこと。統合失調症患者のビタミンB6も低いようです。(※2)B6はセロトニン合成にも使われますので、ますます不足は問題となります。また以前にも書きましたが、緑茶などに含まれるEGCGはCOMTという酵素を阻害し、ノルアドレナリンの分解を阻害してしまいます。カフェインがそれに拍車をかけてしまいます。B群のサプリメントを摂り、緑茶の飲み過ぎを控えるようにすることで、他人の責任を過度に追及する風潮が改善されてくるかもしれません。※1:Vitamin B6 deficiency hyperactivates the noradrenergic system, leading to social deficits and cognitive impairmentTransl Psychiatry. 2021 May 3;11(1):262. doi: 10.1038/s41398-021-01381-z.※2:Enhanced carbonyl stress in a subpopulation of schizophrenia.Arch Gen Psychiatry 2010; 67(6):589-597