よきほどにて出で給ひぬれど、猶ことざまの優に覺えて、物のかくれよりしばし見居たるに、妻戸を今少しおしあけて、月見るけしきなり。やがてかけ籠(こも)らましかば、口惜しからまし。あとまで見る人ありとは如何でか知らん。かやうの事は、たゞ朝夕の心づかひによるべし。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・筆者と同世代の人だったら、NHKアナウンサーだった鈴木健二氏の「気配りのすすめ」というベストセラーをご存じでしょう。そこでは、気配りの基礎として「教養を拡げるべし」と書かれています。それも自分の専門以外の教養を。いわゆる「専門バカ」は自分の世界だけに閉じこもってしまい、内弁慶になってしまいます。そして自分の専門以外の分野について知ろうとせず、コンプレックスを持つようになり、ますます閉じこもってしまうという悪循環の繰り返し。もっと外部の世界に目を向けるべきだと分かっていても、それができなくなってしまいます。年とともにヒトが頑固になるのは知られていますが、それは神経が決まった経路しか働かなくなるからです。普段は行わない活動を神経が行おうとしても、うまく伝達経路が働かないのです。しかし神経そのものの情報伝達速度に違いはありません。違いが出てくるのは「神経伝達物質」によるものです。神経伝達物質がスムーズに機能するかどうかで、情報の伝達速度が決まってくるのです。神経伝達物質には様々な種類がありますが、その多くはアミノ酸やペプチドです。つまり「しっかりとタンパク質を摂取しておくこと」が大前提。特にアミノ酸ではチロシンやトリプトファンが重要となります。チロシンは「フォーカスフューエル」に含まれており、多くのアスリートの集中力向上に貢献しています。また記憶に関しては、「アセチルコリン」が重要となります。これは筋肉の収縮にもかかわってきます。アセチルコリンの材料となる「レシチン」をしっかり摂取しておくことで、記憶力を高めたり、ボケを防止したりなどの効果が期待できます。レシチンには様々な種類がありますが、普通に薬局やネットで買えるものだと顆粒タイプのものが良いでしょう。そのまま飲んでも良いですし、ヨーグルトにかけて食べたり、プロテインに混ぜたりしてもOKです。朝食後と夕食後に5gずつ、一日10gくらい摂取することで、十分な効果を期待できるでしょう。