バルクアップのための心構えを毎月5点ずつ、紹介していきます。その内訳は次の通り。1. トレーニング2. 食事3. サプリメント4. 休養5. その他・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1. 不自然な動きこそボディビルの極意である!「トレーニングでは自然な動きを心がけよ」という意見がある。しかし考えてみよう。野生動物は、そもそもトレーニングなどしない。筋肉を鍛えるということは、それ自体が「不自然な行為」なのだ。不自然なことをするからこそ、それに適応する必要が生じ、筋肉が発達せざるをえなくなる。自然でやりやすい方法でやっていては、適応の必要がないため、発達も起こらないわけだ。ストレッチポジションで負荷をかけ、ネガティブでしっかりコントロールし、意識して筋肉をアイソレートさせる。こういった不自然なことこそが、筋発達のカギとなるのである。2. レバーを食え!20世紀の初め、マックス・ゲルソンという天才的な医者がいた。彼はシュヴァイツァーの結核を治したことでも有名で、今でも難しいとされる末期ガンの患者を、その時代に何人も治している。彼の治療アイテムは、大量の野菜やフルーツのジュースだった。しかし、後年になってゲルソンは野菜ジュースを治療に使うことを止めてしまう。その理由は次の項で述べよう。さて野菜ジュースの代わりにゲルソンが選んだのは、生レバーだった。効果はあったのだが、牛を育てるときの抗生物質や生レバーに含まれる寄生虫の問題が生じ、品質が低下したため、これもアウトとなってしまった。コルチゾンをラットに大量投与して、わざと強力なカタボリック状態にした実験がある。とうぜんラットの体重は激減し、死亡するものが続出する。そこで飼料のタンパク質を増やし、ビタミンの量を2倍にしてみたが、あまり効果がない。しかしタンパク質の代わりにレバー粉末を10%加えると、発育が著しく改善され、死亡するものが激減したという。またラットを水に入れて泳がせると、だいたい13分くらい泳ぐことができる。それが限界で、ビタミン量を増やしても効果はない。しかしレバー粉末をやはり10%加えると、なんと90分も泳げるようになったという。おそらく、ストレスに耐える力を与える何かしらの物質がレバーに含まれているのではないだろう。今はレバーの品質も良くなっているため、まともな商品を買えば軽く火を通しただけで食べられる。積極的に活用するようにしたい。3. 必要な栄養は食事から・・という昔の常識を信じるな!ゲルソンは野菜ジュースを使わなくなった。治療効果が無くなってしまったからだ。大量の農薬や除草剤の使用により、野菜や果物の栄養価が急減してしまったのだ。具体的な例を挙げよう。例えばニンジン。昭和25年の食品成分表によると、ビタミンAを100gあたり12500IU含むとされている。それが今では10分の1。かぼちゃやほうれん草のビタミンAも同様、10分の1程度になってしまっている。ホウレンソウについていえば、鉄分は6分の1、ビタミンCは4分の1以下になってしまっており、これでは「野菜を食べるのは水を飲むようなもの」と言っても過言では無い。サプリメントでレバータブを摂るというのは、昔のボディビルダーが良く行っていた方法だ。アルゼンチンで健康に育ったレバーを使った良質なレバータブレットがあり、食事でレバーを食べるのが苦手な人には、それをお勧めしたい。就寝前のプロテインと一緒に飲めば、タイムリリース効果も期待できる。4. クイックリフトをアクティブレストに!ウェイトリフティングの選手は、毎日のようにトレーニングしている。しかしオーバーワークにはならない。全身で挙げているため、全身的な疲労は起こっても、個別の筋肉がダメージを受けるということはないからだ。またスナッチやジャークはポジティブのみであり、ネガティブでの負荷がかからないということもある。そこで、クイックリフトをアクティブレストとして数週間だけ行うという方法が考えられる。ただしスナッチやジャークはフォームが難しいため、ハイプルやプッシュプレスなどがいいだろう。普段と違う筋肉が使われるため、良い刺激となるし、普段使われている筋肉を休めることができる。5. 深呼吸で自律神経機能を高めよ!息を吸って止めると心拍数は高くなり、息を吐くと心拍数は低くなる。これを呼吸性不整脈と呼ぶ。運動中は心拍数が高くなるが、「いっきに吸ってゆっくり吐く」呼吸法を繰り返すことにより、心拍数を早く低くすることができる。ゆっくり吐くときに、「吐き切る」ことがポイントで、これにより「いっきに吸う」ときに、より多くの酸素を取り込むことができるのだ。なお、ヨガの世界では「8秒かけて息を吐ききり、7秒息を止め、4秒かけて息を吸う」方法が推奨されている。これは副交感神経を優位に立たせるために有効で、気が高ぶって眠れないときや、プレゼンなどを目の前にしてあがっているときなどに、心を落ち着ける効果を期待することができる。