「トレーニングを終えたらプロテイン」。それがひと昔前の常識だった。しかし、トレーニング直後は交感神経が興奮していて消化(副交感神経)があまり良くない。トレーニングで筋肉に血流が行っていて、胃腸の血流が回復していないのも、それに拍車をかける。よってトレーニング直後はアミノ酸のほうがベターである。アミノ酸を飲んで1520分くらいしてからプロテインを飲むようにすれば、副交感神経が優位に立ち、胃腸の血流も回復する。では、どのアミノ酸を飲むべきなのだろうか。トレーニングによって、ATPの要求量が増大する。トレーニングで使われたエネルギーの補給や、筋肉や神経伝達物質の回復、筋タンパクの合成、疲労物質の除去などさまざまなところでATPが要求される。すると、カタボリック(筋分解)が進んでしまう。それではトレーニングの効果が落ちてしまう。そこでグルタミンである。グルタミンはトレーニング後のカタボリック亢進を抑えてくれるのだ。厳密には「トレーニングというストレスによってグルタミン要求量が増大する。そのため筋肉が分解されてグルタミンが取り出される。そこで外部からグルタミンを摂取することにより、筋肉の分解を防ぐことができる」ということになる。グルタミンにはインスリン感受性を高めてグリコーゲンの回復を促進したり、糖新生の材料になったり、成長ホルモンを分泌させたり、免疫を活性化させたりといった作用も期待できる。トレーニング後に必要となる栄養素のトップに来ると言って良いだろう。グルタミンと同時に摂取したいのが、アルギニンである。アルギニンも成長ホルモンの分泌や免疫の活性化を起こし、さらに一酸化窒素の発生を促してインスリンの働きを高めたり、血行を良くして栄養素の運搬を助けたりしてくれる。またグルタミン摂取によって体内のアンモニア濃度が増加してしまうのだが、アルギニンはオルニチンサイクルを活性化してアンモニアの除去を促進してくれるのだ。グルタミンとアルギニン。この二つのアミノ酸を配合したサプリメントが「アミノシナジー」だ。どちらにも同じような効果があり、一緒に摂ることによって1+1が3にも4にもなるようなシナジー効果が起こるだろう。トレーニング直後にアミノシナジーを1015g。そして15~20分後にプロテイン。この流れをまもることによって、トレーニングの効果は一気に高まるに違いない。