・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・書写の上人は、法華読誦の功積つもりて、六根浄にかなへる人なりけり。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・雨垂れ石を穿つという言葉がありますが、同じことを何度も繰り返すことによって、それに習熟し、普通の人にはおよびもつかない境地に達することが可能となります。ウェイトリフターやベンチプレッサーはなんども動作を繰り返すことにより、全身に負荷を分散させ、特定の筋肉への刺激を減らすことによって高重量を上げることができるようになります。逆にボディビルダーは非常に軽い重量を使いつつ、ターゲットとする筋肉だけに強い負荷を与えることができるようになります。これらは脳から中枢神経系への刺激がないと起こらない現象ですが、こうしたトレーニングをすれば当然、中枢神経系の疲労は起こります。何セットも行うことによって、扱う重量や回数はどうしても減ってきます。いっぽうで中枢神経系の疲労が起こらない筋活動もあり、電気刺激はその代表です。電気刺激での運動だと疲労は起こりにくく、運動後半における重量や回数の減少はあまりありません。(※)このことから、自発的運動におけるトレーニングを行い、疲労してきた後半になったところで電気刺激でのトレーニングを取り入れるというのは、理に適った方法かもしれないと推察されます。中枢神経系の疲労の原因は未だによく分かっていないのですが、活性酸素によるダメージではないかというのが現時点における有力な仮説となっています。活性酸素を除去する抗酸化物質は数々ありますが、特に神経系において働くのがイミダペプチドだといわれます。カルノシンやアンセリン、バレニンなどがイミダペプチドの代表ですが、それらの体内における合成を高めてくれる「βアラニン」を摂取するのが一番効率的でしょう。国際スポーツ栄養学会(ISSN)はβアラニンをパフォーマンス向上において効果と安全性に確かなエビデンスがあるサプリメントとしてカテゴリーAに分類しています。食後にβアラニンを3g程度摂取するだけでも、疲労回復効果は期待できます。なお鶏胸肉を一日に一枚食べるだけでも、βアラニンをサプリメントとして摂取したのと同様の効果を得ることができます。※:Unlike voluntary contractions, stimulated contractions of a hand muscle do not reduce voluntary activation or motoneuronal excitabilityJ Appl Physiol (1985). 2020 May 1;128(5):1412-1422. doi: 10.1152/japplphysiol.00553.2019. Epub 2020 Apr 23.