糖化を防ぐことが炭水化物の悪影響を避けるために必要、ということで以前にカルノシンやショウガ、シナモン、緑茶、メトホルミンなどを紹介した。今回はさらに手軽に入手でき、また継続的に摂取可能なものとして、「糖化を防ぐハーブティー」を紹介することにしよう。抗酸化作用の強いお茶としては、白茶や緑茶が筆頭に挙げられる。しかし糖化を防ぐという点では、残念ながらそれらの効果はいま一つ。糖化を防ぐお茶は・・「柿の葉茶」と「バナバ茶」、「クマザサ茶」、「甜茶」の4種類をブレンドしたものである。Inhibition of Advanced Glycation End Product Formation by Herbal Teas and Its Relation to Anti-Skin Aginghttp://www.anti-aging.gr.jp/english/pdf/2012/9(6)135148.pdf面白いことに「柿の葉茶&バナバ茶&クマザサ茶&甜茶」ブレンドは飲むだけでなく、皮膚に塗っても効果がある。なぜこれらのブレンドになったのかというと、Ⅰ型コラーゲンにおける蛍光性AGEs生成抑制作用は甜茶が強く、カルボキシメチルリジン(CML)の抑制作用はバナバ茶が強かった。また血中アルブミン(HSA)におけるPentosidineの抑制作用は柿の葉茶が強く、3DGの抑制作用はクマザサ茶が強いという結果が出たからである。このブレンド茶はそれぞれを単体で使った場合の5倍以上のAGEs生成抑制作用を持っており、また抗酸化作用も強い。そしてブレンド茶を皮膚に塗ったところ、4週間後には肌の水分量に顕著な違いが出てきたとのことである。バナバ茶に含まれるコロソリン酸には血糖値の上昇を抑える作用があり、糖尿病の治療にも使われているが、その一部の効果は糖化の抑制作用によるものであろう。甜茶に含まれるポリフェノールには抗アレルギー作用があるとともに、AGEs抑制による抗炎症作用も発揮できると思われる。クマザサ茶にはAHSSと呼ばれる強い抗酸化作用を持つ物質が含まれ、それがAGEs抑制のみならず、抗ウィルス、抗バクテリア、抗炎症作用を持っているようである。柿の葉茶に含まれるプロビタミンCはコラーゲン生成やメラニン抑制作用があるとともに、コラーゲナーゼ(コラーゲンを分解)やエラスターゼ(エラスチンを分解)などの酵素活性を抑える物質が含まれるとも言われている。ハーブティーには様々な物質が含まれ、それらをブレンドして長所を取り出して利用することにより、相乗効果が期待できる。今回紹介した4種類のみならず、様々なブレンド茶がこれからも出てくることだろう。