なんて酷いタイトルなんでしょう。でも多くの方が気になるトピックでしょうし、気にならない方も知っておいてソンはありません。さて、ハゲの原因の一つがDHTと呼ばれるホルモンだということは、もはや常識でしょう。テストステロンが5αリダクターゼという酵素によってDHTに変化すると、それがハゲを促進してしまうのです。5αリダクターゼには2種類あり、そのうち一つを阻害するのが「フィナステライド」という薬剤で、国内ではAGAの治療に使われています。そしてもっと強力な「デュタステライド(デュタステリド)」という薬剤もあり、こちらは5αリダクターゼを2種類とも阻害します。ちなみに、本来は前立腺(これもDHTの作用を受けてしまう)のためのオクスリです。さてDHTにはハゲ促進というイヤな作用があるのですが、これは男性化を促進する作用もあり、攻撃性を高めたり、やる気を出したり、筋力を向上させたりする効果があります。ですので5αリダクターゼ阻害薬を使ってDHTを減らしたら、筋肉を増やす作用も低下してしまうのではないか・・という心配が出てきます。これは実際のところ、どうなのでしょうか?Effect of Testosterone Supplementation With and Without a Dual 5α-Reductase Inhibitor on Fat-Free Mass in Men With Suppressed Testosterone ProductionA Randomized Controlled Trialhttp://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=1105045そこで、次のような実験が行われました。18歳から50歳の男性にテストステロンを注射し、デュタステライド摂取群と対象群に分けて20週間後の除脂肪体重の増加を計測したのです。結果はこちら。1.テストステロンを毎週50mg注射した群は0.6kgの増加2.テストステロンを毎週125mg注射した群は2.6kgの増加3.テストステロンを毎週300mg注射した群は5.8kgの増加4.テストステロンを毎週600mg注射した群は8.1kgの増加テストステロンの効果って、スゴイですね。なお筋力も測定されましたが、やはり使用量に比例して筋力も増加しました。さて、デュタステライドを使った群と対象群との違いはどうだったかというと・・全ての投与量において、ほとんど違いはなかったのです。つまり5αリダクターゼ阻害薬の使用は、筋肉や筋力に対する悪影響に関しては、それほど心配要りません。なお少し前まではフィナステライドもデュタステライドもドーピング規制物質でしたが、今は規制が外れたので安心して使用可能です。