不幸に憂に沈める人の、頭(カシラ)おろしなどふつつかに 思ひとりたるにはあらで、あるかなきかに、門(カド)さしこめて、待つことも なく明かし暮したる、さるかたにあらまほし。団体競技に比べ、ウェイトトレーニングを好む人というのは、内向的な性格のことが多いようです。もちろん何かの競技の補強のためにトレーニングしている場合は別ですが、ウェイトトレーニングのためだけにジムに通うことを好む方は、他人とではなく「自分との対話」をしているときのほうが、なんとなくしっくりくるのではないでしょうか。筆者も未だにそんな感じですが、それでも「コミュ障」だった学生時代に比べると、かなり社交的にはなりました。そこで大きな助けとなったのが「ビタミンとアミノ酸」です。栄養状態が性格に影響を与えるというのは面白い現象ですが、ウツ病の薬ほどではないものの、脳内の神経伝達物質のバランスは栄養状態に大きく左右されます。ビタミンCがIQを高めたという有名な報告だけでなく、半世紀以上も前にカナダのホッファーは超高容量のビタミン摂取が統合失調症などの症状を改善することに気づき、一定の効果を挙げています。今ではアドレノクロム説は否定されていますが、ビタミンとアミノ酸を十分に摂取することで神経伝達物質がスムーズに生成されれば、何らかの良い方向への効果は見込めることでしょう。特に重要なのは「チロシン」です。チロシンはアドレナリンやノルアドレナリン、ドーパミンなどのカテコールアミンと呼ばれる神経伝達物質の材料となります。必須アミノ酸のフェニルアラニンからチロシンが合成されますが、フェニルアラニンの摂取量が足りなかったり、フェニルアラニンをチロシンにする酵素の活性が低下していたりすると、カテコールアミンの合成が滞ってしまいます。チロシンをサプリメントとして使うことにより、ドーパミンが増えて「やる気」が出てきたり、ADHDが改善したり、学習能力が改善したりといった効果が期待できる。アドレナリンやノルアドレナリンを増やすため、もちろんトレーニング前にも有効。甲状腺ホルモンの原料にもなりますし、メラニンの原料にもなりますから、コンテスト前のボディビルダーにも有用かもしれません。どうもやる気が出ない、楽しいと感じることが少ない、恋愛もする気になれないなんてときはぜひチロシンを使ってみてください。起床直後に1~2gから。