バルクアップのための心構えを5点ずつ、紹介していきます。その内訳は次の通り。トレーニング食事サプリメント休養その他1. TUTでレップスを考えよ!10回3セットという方法は初級者から上級者まで広く行われているが、それはなぜだろうか。一般的に70%~85%1RMでのトレーニングが筋肥大や筋力アップに効果的だとされ、その重量だとだいたい10回3セットができるということが主な原因だと思われる。しかしフルスクワットだと1回やるのに3~4秒はかかるが、リストカールだと1秒くらいしかかからない。つまりフルスクワットだと10回やれば筋肉は30~40秒働くのにたいし、リストカールだと10秒も働いていないわけだ。筋緊張時間のことを、TUT(Time Under Tension)と呼ぶ。TUTを揃えるのならば、スクワット10回に対し、リストカールは40回ということになる可能性もある。特定の種目の伸びが悪いときは、TUTがその種目に合っていない可能性もある。10回3セットとか、70%~85%1RMといった常識にとらわれず、思い切ってレップス数を変更してみよう。意外な効果が出てくるかもしれない。2. 人それぞれ、は思考停止私には糖質制限は合わなかった。私には高タンパクは合わなかった。といって勧められた食事法を断念する人がいる。しかし、合わなかったからといってすぐに止めてしまうのは思考停止である。なぜ合わなかったのかを考えねばならない。そこに病魔が潜んでいる場合もあれば、腸内細菌叢の問題だったり、特定の代謝が苦手だったり、重金属やカンジダの問題があったり・・むしろ食事法が合わなかったからこそ、問題を見つけるチャンスを得られたと感謝してみてはどうだろうか。その食事法にクレームをつけるのではなく、おかげで自分の問題を改善できた。そうポジティブにとらえた方が、食事法の効果も出やすくなるというものである。3. NMNはニセモノが多い筆者はNR(ニコチンアミドリボシド)を5年ほど前から推奨していて、かなりの体感を得ている。同時期にNMNも発売されていたが、バカみたいな値段で売られていてとても手を出す気にはなれなかった。最近では「Life Span」の影響もあり、NMNを飲む人が増えてきたせいか、サプリメントメーカーも手を出すようになり、NMNの価格が安くなってきた。しかしNRの元締めであるChromaDex社がアマゾンで発売されている22種類のNMNを調べたところ、64%の製品は「含有率1%以下」だったという。NRは体内でNMNに変換されるため、NAD+に近い物質としてはNMNとなる。しかし外部から摂取したNMNは、一回NRに変換されてからNMNに戻る必要があるという説もある。現時点では価格も安く、偽物の心配が少ないNRのほうをお勧めしておきたいところである。4. 休みの日も普通に起きよう平日は仕事のために早く起き、休日は昼まで寝る。そういう生活をしている人は多いと思うが、これがむしろ疲労を溜めてしまうのだ。必要な睡眠時間や睡眠負債が存在するかどうかの話はさておき、生活リズム(概日リズム)が狂うのが問題なのである。昼勤と夜勤を交互に行う人や、時差にさらされる生活をしているキャビンアテンダントを調べると、体内時計が狂うことでさまざまな不具合が発生することがわかってきている。トレーニングも同じことで、朝にやったり夜にやったりと時間帯がバラバラなのは効果を減らしてしまう。できるだけ常に同じ生活リズムを保つことが健康のためにも筋肉のためにも有効となるのである。5. 昭和の高校野球部監督理論なんかどうでもいい、とにかくやれ、努力することが大事なのだ。そうSNSで声高に言っている人のことを筆者は「昭和の高校野球部監督」と呼んでいるが、たぶん平成でも間違ってはいないだろう。努力は美徳かもしれないが、実は本当に優れている人は、「俺は努力している」などと言わないものである。なぜなら、優秀な人はそれを楽しみ、苦労だとは思わないからだ。どんなにキツイ練習をしていても、つらいとか努力しているなどとは思わない。ましてやそれをアピールすることもない。SNSで努力アピールをしている人は、単に「俺は努力している精神的に強い人間なのだ」とマウントを取りたいだけなのである。仕事が遅いから夜中まで残業をして会社に残り、「俺は仕事熱心だ」と言う人に似ている。ただし、そのような社員を評価してしまう会社もある。だが筆者ならスピーディに仕事を終わらせ、定時で帰りたい。会社の評価など気にしない。大量のタスクをいかにして短時間で終わらせるか、そこに集中し、転職しても通用するようなスキルを身に付けていきたい。