果糖の問題点については、これまでに何度も言及してきた。糖化およびAGEsの生成や痛風の危険性増大、肥満誘発作用、インスリン抵抗性の惹起などなど。今回紹介する論文は、全体のカロリーの25%を果糖が主体のコーンシロップから摂取させたマウスを使った実験。これは人間に直すと、ソーダ類を一日に3本ほど飲んだ場合と同じ計算になるとのこと。Human-relevant levels of added sugar consumption increase female mortality and lower male fitness in micehttp://www.nature.com/ncomms/2013/130813/ncomms3245/full/ncomms3245.htmlさて、高果糖の食事をするハメになったマウスの運命はどうなったか・・・オスは縄張りが26%狭くなり、子孫は25%減少した・そしてメスの死亡率が2倍に増加普通の食事に比べて健康が傷害され、おそらくはフィジカルだけでなくメンタルな部分にも悪影響が起こり、オスはテリトリーを奪われてしまったのかもしれない。ライナス・ポーリングは「人間の身体は一日に8g程度の果糖しか処理しないように馴らされてきた。しかし今では果糖の摂取量は一日に75g程度になっている」と1986年の時点で書いている。今ではもっと増えているだろう。こちらの論文では、1970年には一日64gだったが、1997年の時点では一日81gになっていると書かれている。Fructose, weight gain, and the insulin resistance syndrome1,2,3http://ajcn.nutrition.org/content/76/5/911.abstractまた「糖化」の問題点については、やっと知られてきたけれど、「果糖」は普通の糖質に比べて300倍も糖化が起こりやすいということは、まだあまり知られていない。また、砂糖は「果糖+ブドウ糖」なので、砂糖の取りすぎも結局は果糖の過剰摂取につながるということも、知らない人のほうが多いだろう。Opposing effects of fructokinase C and A isoforms on fructose-induced metabolic syndrome in micehttp://www.pnas.org/content/early/2012/02/17/1119908109こちらは果糖がメタボを引き起こす原因の手掛かりとなる論文。果糖の代謝酵素には2種類のアイソフォームがあるが、その一つ、フルクトキナーゼCは果糖との結合性が非常に高く、急速に代謝されてかえってATPの減少を引き起こし、インスリン抵抗性や脂肪肝の原因になるという。