バルクアップのための心構えを5点ずつ、紹介していきます。その内訳は次の通り。1. トレーニング2. 食事3. サプリメント4. 休養5. その他・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1. 1と2分の1法を採り入れろ!「1と2分の1法」は、フルレンジとハーフレンジのレップスを交互に行う方法である。ハーフレンジでは、そのエクササイズの「美味しいところ」を行うのが一般的となる。具体的にはインクラインダンベルカールならストレッチポジションが「美味しい」ので、フルの次はボトムでストレッチした状態から半分だけ挙げ、また下ろして次はフルにやると言う寸法である。これは「先にフルで何回か行い、その後ハーフでやる」のと、どう違うのだろうか。美味しいところというのは、キツイところでもある。「フル→ハーフ」だと、フルの後にラクなところへの刺激がなくなってしまう。しかし「1と2分の1」だと、最後のレップスまでラクなところも刺激される。逆に言えば、ラクなところを最後まで行えるため、トータルでできるレップス数、筋緊張時間を稼ぐことができるのだ。マンデルブロで言えば、フェイズ3でやるのも悪くない。2. 動物性脂肪を怖れるな!牛や豚の脂身を避けるのは、ボディビルダーあるあるとして昔から知られている。しかし飽和脂肪酸がそれほど悪者ではないことも最近では知られるようになってきたし、不飽和脂肪酸(PUFA)を過度に恐れる必要のないことも分かってきている。ただし不飽和脂肪酸は酸化の過程でFADH2ができないため、エネルギー源としてみた場合、飽和脂肪酸には劣っている。バルクアップのためには十分な脂肪摂取が必要だ。良質なエネルギー源となる飽和脂肪酸は過酸化脂質をつくる可能性も少ないため、むしろ積極的に摂取していきたいものである。3. メラトニンで記憶も増強メラトニンには入眠作用だけでなく抗酸化作用があり、健康に寄与してくれる。さらにその抗酸化作用は記憶障害の抑制作用があることも知られている。またメラトニンはN1-acetyl-5-methoxykynuramine(AMK)に変換され、これをマウスに投与したところ、長期記憶が誘導されることが最近になって判明した。それだけでなく、学習・記憶能力が低下した老齢マウスでも、AMK投与によって記憶形成能力が有意に改善したのだ。メラトニンにはほとんど副作用がないため、就寝30分くらい前に摂取することで、さまざまな有益効果を得ることができる。法律の関係で1カ月に1ボトルまでしか個人輸入できないのが残念である。※:The melatonin metabolite N1-acetyl-5-methoxykynuramine facilitates long-term object memoryin young and aging miceJ Pineal Res. 2020 Oct 30;e12703. doi: 10.1111/jpi.12703.4. 横になって休め!立った状態だと重力の作用で血液の多くが下半身に移行し、静脈還流量も減少する。また心臓は足の裏に落ちた血液を全身に行き渡らせようと引っ張り上げるため、強い負担を強いられる。しかし横になった場合、血液の多くが内臓に行き渡るようになり、心臓の負担も少なくなる。疲労した身体を少しでも早く回復させたいのなら、横になる時間を増やすと良い。長時間の睡眠が求められるのも、実は血流によるものが大きい。逆に言えば、眠れないとしても、横にさえなっていれば身体は回復できるのである。無理に寝ようとして焦る必要はまったくない。5. 届くものだけに届けばよいと心得よ!三石巌氏の1976年の著作「ビタミンE健康法」には、まえがきに次のようなことが書かれている。「本書のレベルの本を読みこなそうとしないような人にとって、健康管理は無理だ」、「タバコ銭程度の支出を保健薬に投じる覚悟のない人にも、健康管理は無理だ」。三石氏には「どうぞ、お先に」という名言もあるが、このように突き放すことを失礼だと感じる向きもあろう。しかし、それで良いのである。神でさえノアの方舟で人々を選別した。神ならぬ人の身ならば、届かないものまで救う必要はまったくないのだ。自分の主張が受け入れられないこともあるだろう。だが、気にせずに言い続ければ良い。