101トレーニング 「POFという考え方」

101トレーニング 「POFという考え方」

■エクササイズと関節角度の関係
1セットだけでホメオスタシスを打ち破れるような刺激が与えられれば、それに越したことはありません。しかし心理的な限界のため、どうしてもリミッターがかかってしまいますので、実際問題として1セットだけでは不足してしまいます。

他に1セットだけでは足りない理由として、「関節角度による負荷の違い」が挙げられます。たとえばバーベルカールの場合、最初は比較的簡単に持ち上げることができます。しかしヒジの角度が90度に近くなるに従ってキツくなり、一番キツいポイントを超えると、また楽に挙げられるようになります。バーベルカールに限らず、殆どのエクササイズの場合、関節角度によって最大の負荷をかけることのできないポジションが存在するのです。

その問題を解消するために考え出されたのが、ノーチラスマシンです。これはオウム貝のような形をしたカムを使うことによって、動作全域に渡って同一の負荷をかけられるようにしたマシンのことです。ひと頃は日本でもノーチラスマシンを揃えたスポーツクラブが乱立し、そこでは「各種目1セットだけ」で効果が挙げられるというのがウリでした。
しかしマシン自体が非常に大がかりなものであり、また多くのトレーニーは心理的限界を突破できないために結局数多くのセットをこなしてしまい、本来の効果を得られなかったせいか、ノーチラスマシンはいつの間にか下火となってしまいます。

■POFという考え方
そこで、フリーウェイトでも動作全域を刺激できるように考えだされた方法が、POFトレーニング(Positions of Flexion Training)です。これはエクササイズをミッドレンジ種目(動作の中盤で強い負荷がかかるエクササイズ)とストレッチ種目(ストレッチ時に強い負荷がかかるエクササイズ)、コントラクト種目(収縮時に強い負荷がかかるエクササイズ)の3種類に分類し、それぞれを行うというものです。
ベンチプレスやスクワットでは、キツくなるとバーを少し持ち上げたところで動きが止まってしまいます。このように、多関節種目で動作中盤に強い負荷がかかるエクササイズを、「ミッドレンジ種目」といいます。
インクラインカールやダンベルフライでは、筋肉がストレッチしているときに強い負荷がかかります。このようなエクササイズを「ストレッチ種目」と考えます。
そしてコンセントレーションカールやレッグエクステンションなどは、筋肉が収縮しているときに強い負荷がかかります。このようなエクササイズは「コントラクト種目」と呼ばれます。

この3種類にエクササイズを分類し、それぞれを1~2セットずつ行えば、動作全域に渡って強い負荷をかけることが可能となります。ただし背中や前腕、カーフの筋肉はミッドレンジとストレッチ、コントラクトの分類が明確にできないため、違った方法で分類したトレーニング方法を考えることになります。


山本 義徳

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