バルクアップのためのTIPS Part 70

バルクアップのためのTIPS  Part 70

1. 部分痩せは可能である
筆者の著書「ダイエットの理論と実際」やブログなどでも紹介しているが、「部分痩せ」は確実に可能である。
トレーニングで収縮させた筋肉に隣接した皮下脂肪組織は血流と脂肪分解が亢進しているという報告(※1)がある。さらに「上半身のウェイトトレーニング+下半身の有酸素を30分」と、「下半身のウェイトトレーニング+上半身の有酸素を30分」とに分けて比較した研究(※2)では、「上半身ウェイト+下半身有酸素」群では上半身の体脂肪量が下半身に比べて大きく減っていた。また「下半身ウェイト+上半身有酸素」群では下半身の体脂肪量が上半身に比べて非常に大きく減っていたのである。
「腹筋をやっても腹の脂肪はとれないよ」というトレーナーの言葉を鵜呑みにするまえに、まずは気になるところのトレーニングをしてみよう。

※1:
Are blood flow and lipolysis in subcutaneous adipose tissue influenced by contractions in adjacent muscles in humans?
Am J Physiol Endocrinol Metab. 2007 Feb;292(2):E394-9.

※2:
Effect of combined resistance and endurance exercise training on regional fat loss.
J Sports Med Phys Fitness. 2017 Jun;57(6):794-801. doi: 10.23736/S0022-4707.16.06358-1.


2. プロテインを飲め!
2020年度版の「日本人の食事摂取基準」には、次のように書かれている。タンパク質の必要摂取量は昔から「窒素出納法」によって定められている。しかし窒素出納法の研究はすべて良質のたんぱく質を用いて行われている。
最近は指標アミノ酸酸化法(indicator amino acid oxidation technique)によって必要量を
測定する研究が進んでおり、そこでは窒素出納法を用いて得られた必要量よりも一様に高くなっている。窒素出納法によって求められた値は真の必要量よりも40〜50% 程度、低いのではないかとする意見がある。しかしまだ研究が少ないので、今回は窒素出納法を用いた。

耐容上限量が設定されていないこと、高齢者は少なくとも体重1kgあたり1.0g/日以上のタンパク質を摂取することが望ましいと書かれていることなどからも、厚生労働省の本音として、タンパク摂取量を増やしてもらいたいという思惑が透けて見える。しかし普通の食事から十分な量を摂取するのが難しいことから、リミットを設けているのではないだろうか。
プロテインは身体に悪いなどと主張する時代遅れの医者もいるが、そうした古びた意見は数年で淘汰されていくことだろう。


3. 腎臓が悪ければオメガ3を!
腎臓が悪い場合の食事としてはタンパク質や塩分を控えるように昔は云われていたが、今ではだいぶ変わり、ある程度の高タンパクと、むしろカリウムを控えることが大事だと言われるようになっている。
サプリメントとしては、オメガ3脂肪酸が有効となりそうだ。慢性腎疾患(CKD)において、オメガ3サプリメントの摂取により血中脂質が改善し、マロンジアルデヒド(酸化ストレスの指標)が減少し、SODやGPxなどの抗酸化酵素が増加することが示されている。(※3)

※3:
Effect of omega-3 fatty acids supplementation on cardio-metabolic and oxidative stress parameters in patients with chronic kidney disease: a systematic review and meta-analysis
BMC Nephrol. 2021 May 1;22(1):160. doi: 10.1186/s12882-021-02351-9

4.トレーニング後は軽い運動を
わずか4名の研究ではあるが、運動後にストレッチをしてもクレアチンリン酸やpHなどの回復にほとんど効果はなく、軽い運動(自転車漕ぎを6分)のほうが遥かに効果を上げたという結果が出ている。(※4)
筋ポンプ作用が疲労物質を除去するのに役立つため、トレーニングした部位を非常に軽い負荷でクールダウンするのはストレッチよりも回復に役立つと思われる。筋肉痛がきやすいという人は多いものだが、軽いクールダウンを試してみて欲しい。

※4:
ストレッチングの筋疲労回復に関する研究
平成12年度 高知リハビリテーション学院紀要 第2巻


5. 目標とする人物をつくろう
ベルセルクの作者、三浦建太郎の逝去は多くの人を悲しませた。特に筆者だ。追悼も込めて、ベルセルクの名言のなかから一つを紹介しよう。
「あいつに辿り着くまでの数え切れない夜がオレを叩き上げた。」
ここでの「あいつ」は敵でもあるのだが、主人公にとっての大事な存在でもある。「あいつ」に辿り着くため、主人公は多くの闘いを強いられてきたのだが、その中でいつしか自分の成長を確信できるようになった。
今は手の届かない存在でも良い。誰か目標となる人物をハッキリと設定し、少しずつでも追いつけるように努力していこう。その過程において、自分でも思いもしなかった高みに成長することが可能となるだろう。


山本 義徳

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