フレイル予防にもEAAを

フレイル予防にもEAAを

加齢に伴って臓器機能が低下したり、予備能力が低下して外的ストレスに対して脆弱になったりした状態を「フレイル」と呼びます。その中でも特に筋肉量低下によって引き起こされる機能低下状態のことを「サルコペニア」と呼びます。

サルコペニアを防ぐためには、なによりも「高タンパク食」が必要になります。厚生労働省は一日のタンパク摂取量を「体重1kgあたり1g」となるように奨めていますが、高齢になると食も細くなるため、なかなか実現は難しいところです。
また高齢者は植物性タンパクを好む傾向にありますが、フレイル予防のためにはアミノ酸スコアの高い動物性タンパクの方がやはり効率は高くなります。

高齢者が十分なタンパク合成作用を得るためには一食で30g程度、あるいは体重1kgあたり0.4gは欲しい(※1, ※2)ところです。つまり本来は体重1kgあたり1.2g程度が必要になります。これは若者に比べて70%も必要量が増加するということになります。(※2)
最近では総カロリーの30~35%をタンパク質から摂るべしだという勧告もされています。(※3)
なお若者の場合は一回に70gのタンパク質を摂取することで、タンパク分解が抑制されてタンパク合成を高めることができたという報告もあります。(※4)

さて、多くのタンパク質を食事から摂るのが難しい場合、まずはEAAの少量摂取によってタンパク合成を高め、消化能力を強化(胃も腸も消化酵素もタンパク質からできている)することが推奨されます。
ロイシンを多めに配合した6.7gのEAAを摂取することにより、十分なタンパク合成を達成することができたという報告があります。(※5)
さらに少ないところで、たった3gのEAAでも20gのホエイプロテインと同等の筋タンパク合成作用を示したという研究もあります。(※6)

プレシジョンEAAでは最大のアナボリック効果を得るために15gの摂取を推奨していますが(※7)、もっと少なめの量でも高齢者のフレイル予防には十分効果が期待できます。

ご両親がフレイルに悩んでいるような場合、まずは3gのEAAを食間に一日2~3回飲むことからお勧めしてはいかがでしょうか。しばらく継続して体調が改善され、消化能力も高くなってから、プロテインを飲んだり食事で肉や卵を食べるようにしたりすれば、間違いなくフレイルの改善に役立つはずです。


※1:
A moderate serving of high-quality protein maximally stimulates skeletal muscle protein synthesis in young and elderly subjects.
J Am Diet Assoc. 2009 Sep;109(9):1582-6. doi: 10.1016/j.jada.2009.06.369.

※2:
Protein ingestion to stimulate myofibrillar protein synthesis requires greater relative protein intakes in healthy older versus younger men.
J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2015 Jan;70(1):57-62. doi: 10.1093/gerona/glu103. Epub 2014 Jul 23.

※3:
Protein Consumption and the Elderly: What Is the Optimal Level of Intake?
Nutrients. 2016 Jun; 8(6): 359.

※4:
The anabolic response to a meal containing different amounts of protein is not limited by the maximal stimulation of protein synthesis in healthy young adults.
Am J Physiol Endocrinol Metab. 2016 Jan 1;310(1):E73-80. doi: 10.1152/ajpendo.00365.2015. Epub 2015 Nov 3.

※5:
A high proportion of leucine is required for optimal stimulation of the rate of muscle protein synthesis by essential amino acids in the elderly.
Am J Physiol Endocrinol Metab. 2006 Aug;291(2):E381-7. Epub 2006 Feb 28.

※6:
Intake of low-dose leucine-rich essential amino acids stimulates muscle anabolism equivalently to bolus whey protein in older women at rest and after exercise.
Am J Physiol Endocrinol Metab. 2015 Jun 15;308(12):E1056-65. doi: 10.1152/ajpendo.00481.2014. Epub 2015 Mar 31.

※7:
Regulation of muscle protein by amino acids.
J Nutr. 2002 Oct;132(10):3219S-24S.


山本 義徳

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