バルクアップのためのTIPS Part 44

バルクアップのためのTIPS Part 44

バルクアップのための心構えを毎月5点ずつ、紹介していきます。その内訳は次の通り。

1. トレーニング
2. 食事
3. サプリメント
4. 休養
5. その他
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1. 拳立て伏せでベンチプレスを強化!
ベンチプレスが高重量になってくると、どうしても手首が寝てしまうことがある。それを解消してくれるエクササイズが「拳立て伏せ」だ。空手経験者に限らずブルース・リーやジャッキー・チェンに憧れた男の子だったら、みんなやっていたのではないだろうか。

フォームはいろいろだが、ベンチプレス強化だったら広めの手幅で肘を張って行うようにすると良い。なお空手では人差し指と中指の拳頭を主に使うが、ここではボクシングのナックルパート、すなわち中指から小指にかけての拳頭を地面に付けるようにする。尺骨側を優位にするわけだ。

手首を立ててベンチプレスを行えるようになると、大胸筋への効きも良くなるはずだ。ぜひ試して見て欲しい。

2. ローカーボ・ダイエットに欠かせないアボカド
ローカーボ・ダイエット時には高脂肪食が基本となる。しかし高脂肪と言われても、日本人の食生活ではなかなかすぐには適応できないだろう。毎食ステーキでは飽きてしまう人も多いはずだ。
そんなときに使えるのがアボカドである。アボカドは脂肪の供給源になるだけではなく、脂肪を消化する酵素であるリパーゼを含んでいるため、脂肪の消化を助けてくれるという一面も持っているのだ。

「世界一栄養価が高い果物」としてギネスに認定されているアボカド。ローカーボ・ダイエット中は一日に一個を目安に食べても差し支えない。なお固い場合はレンジで30秒ほど加熱すると柔らかくなる。

3. CoQ10がアスリートの心臓を守る!
「スポーツ心臓」という言葉がある。持久力系競技の場合は心臓の「容量」が増え、無酸素系競技の場合は心臓の壁が厚くなる。特にアナボリック・ステロイドを使っていると左心駆出率が低下することは良く知られている。

スポーツ心臓の危険からアスリートを救ってくれる可能性があるのが、CoQ10である。一日200mgのCoQ10を摂取したところ、心室中隔と後壁の厚さが減少したことが示されている。(※1)
ただし少量(一日33mg)では効果が無かったようだ。(※2)
一日300mgのCoQ10で心血管イベント発生リスクを50%低下させられるという報告(※3)もあり、アスリートの健康にとって欠かせない栄養素と言えるだろう。

なお、筆者のコラムをお読みの方だったら当然ご存じの通り、「ユビキノール」だったらさらに効果は高くなる。

※1:
Treatment of hypertrophic cardiomyopathy with coenzyme Q10.
Mol Aspects Med. 1997;18 Suppl:S145-51.

※2:
Lack of effect of coenzyme Q on left ventricular function in patients with congestive heart failure.
J Am Coll Cardiol. 1999 May;33(6):1549-52.

※3:
Coenzyme Q10 for the treatment of heart failure: a review of the literature.
Open Heart. 2015 Oct 19;2(1):e000326. doi: 10.1136/openhrt-2015-000326. eCollection 2015.

4. プレワークアウトを飲み過ぎたら・・
カフェインやNO系に代表される物質が入っているプレワークアウトドリンク。これを飲み過ぎると興奮して眠れなくなるというトレーニーも多いだろう。

そんなときはGABAを使うと良い。周知の通りGABAは血液脳関門を通らないが、抹消で抑制性神経伝達物質としてのリラックス作用を発揮して血圧を下げ、また腸にあるGABA受容体が脳内のGABA受容体にシグナルを送っているという可能性がある。

就寝30分前にGABAを摂取することで入眠までの時間が半分になり、起床時の目覚めが良くなったという人間での研究(※4)や、カフェインを摂取したマウスは入眠しづらかったが、GABAを摂取させることで入眠時間までの時間を短縮できたという報告がある。(※5)

興奮して寝付きにくいというトレーニーには試してもらいたいサプリメントのひとつである。

※4:
Effect of oral γ-aminobutyric acid (GABA) administration on sleep and its absorption in humans.
Food Science and Biotechnology 25.2 (2016): 547-551.

※5:
Treatment of GABA from Fermented Rice Germ Ameliorates Caffeine-Induced Sleep Disturbance in Mice
Biomol Ther (Seoul). 2015 May; 23(3): 268–274.

5. 過程の面白さを知ろう!
日本で最近好まれているライトノベルのテーマが、異世界転生ものだという。実世界では大した人生でなかった主人公が、異世界に転生する際になんらかの拍子ですごい才能を授かり、生まれ変わった世界で無双するという内容だ。
逆にアメリカでは「僕が教えるアメリカ成功術」や「シリコンバレー」に代表されるように、とても良いアイデアと才能を持っているのに、なかなか成功できなくて見ているほうが歯がゆくなる、というドラマに人気があるようだ。

ゲームでもそうだが、RPGの面白さは強くなる過程にこそある。それまで勝てなかったのに、地道にレベルアップして敵を倒せるようになったときが面白いのである。
一気に裏技を使って強くなっていきなりボスキャラを倒しても、本当の面白さは見いだせない。おそらくは実生活で上手くいってない人ほど、いきなり強くなってクリアすることで、実生活で満たせない思いを満たそうとするのであろう。

トレーニングもそうだ。いきなり魔法で凄い身体になったとしても、そこに本当の充実感はない。試行錯誤をして、ときにはケガやオーバーワークになって後退して、それでも進歩していくことが楽しいのである。うまい具合に伸びなくても、あせることはない。楽しみながら少しずつ前進していけばいい。


山本 義徳

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