トレーニングと抗酸化物質の関係は

トレーニングと抗酸化物質の関係は

筆者がメガビタミンを始めてもう20年になります。しかしビタミンの効果は論文などではなかなか明確に示されず、忸怩たる思いを抱えている20年でもあります。生体内に本来は存在しない化学物質と比べると、ビタミンは体内に元々存在し、また食事からも摂取され、必要量の個体差も大きいため、クリアな結果は出にくいのです。

トレーニーのビタミン摂取についても、賛否両論の状態です。ビタミンCとビタミンEを摂取したところ、PPARγの発現やアディポネクチンの増加が抑制された(※1)という報告や、ビタミンC摂取群は筋肉の回復を遅らせた(※2)という報告は、当時のトレーニングメディアを賑わせたものです。
しかしこれらの実験は期間が短く(2~4週間)、また被験者の年齢も若かったため、抗酸化物質の本来の効果が認められなかったのではないかという反論もあります。

平均年齢66歳の男女50名を対象に、6週間に渡ってウェイトトレーニングを行わせた研究があります。その結果、ビタミンCとビタミンEを摂取した群は摂取しなかった群に比べて除脂肪体重が増え、体脂肪量も減りました。(※3)

また90日間に渡ってビタミンEとβカロテン、ビタミンC(最後の15日間のみ)を摂取したところ、体内での抗酸化酵素の活性が高まったという報告や(※4)、60歳以上の持久系アスリート16名を対象にマルチビタミンミネラルのサプリメントを摂取させたところ、自転車を漕ぐパフォーマンスや酸素摂取量は摂取群のほうが高かったという結果が出ています。(※5)

若いアスリートは十分に抗酸化酵素が体内で作られているため、抗酸化物質は必要とされないのかもしれません。しかしある程度の年齢になったら、体内で抗酸化酵素を合成する能力が低下してくるため、抗酸化物質の必要性は高まってくると思われます。
また抗酸化物質の効果は飲んですぐに出てくるというものではないため、数週間は少なくとも継続する必要があります。


※1:
Antioxidants prevent health-promoting effects of physical exercise in humans
Published online before print May 11, 2009, doi: 10.1073/pnas.0903485106 

※2:
Ascorbic acid supplementation does not attenuate post-exercise muscle soreness following muscle-damaging exercise but may delay the recovery process.
Br J Nutr. 2006 May;95(5):976-81 

※3:
Effects of resistance training combined with antioxidant supplementation on fat-free mass and insulin sensitivity in healthy elderly subjects.
Diabetes Res Clin Pract. 2010 Jan;87(1):e1-3. doi: 10.1016/j.diabres.2009.10.001. Epub 2009 Nov 1.

※4:
Response of blood cell antioxidant enzyme defences to antioxidant diet supplementation and to intense exercise.
Eur J Nutr. 2006 Jun;45(4):187-95. Epub 2005 Dec 22.

※5:
Vitamin and mineral supplementation effect on muscular activity and cycling efficiency in master athletes.
Appl Physiol Nutr Metab. 2010 Jun;35(3):251-60. doi: 10.1139/H10-014


山本 義徳

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